軒の低い切妻屋根と、開放的な空間のリビングのコントラスト

東京都 W邸

閑静な住宅街に建つ、切妻屋根を持つ純和風デザインの住宅。塀越しに見える、抑えられたボリュームのファサードとは対照的に、家族の居場所であるリビングは、2層分の高さを持つ、広々として開放的な空間となっている。切妻屋根の勾配を活かした天井が、その広がりをさらに大きく見せる。
軒がかかる平面に向いたリビングの開口は、すべてガラスとなっており、太鼓橋をあしらったポケットパークのような中庭の眺望をそのまま取り込むかのようなつくりとなっている。夜には、ライトアップされた樹影が軒裏に写り、幻想的な風情。くつろぎのひと時を演出する。
リビングに張り出した2階部分は、子どもたちの格好の遊び場。ルーバー状の手すりからは、そのようすを垣間見ることができ、常にようすがうかがえる。安心感とともに、いつでも家族の気配を感じていられる温かな空間となっている。
格子戸風の引き戸を開いて入る玄関には、壁・天井にステンドグラスがあしらわれ、擬洋風のイメージ。和室の物入れにも、アクセントとして洋風のデザインが用いられるなど、和の落ち着いた風情を、モダンにアレンジした住まいとなっている。