光をドラマチックに扱ったコートハウス

東京都 M邸

都心近郊の2階建てが立ち並ぶ住宅街に建つコートハウス。複数のボックスが重なり合ったような外観を持つこの建物は、建物の中央に大きな中庭が設けられている。白く塗られた壁と白い床で構成された中庭は、太陽の光を最大限反射し、中庭を囲むように配置された各居室に光を届ける役割を持たせている。その届いた光をどのように扱うかがこの住宅のテーマである。1階のメイン空間は、ダークグレーの壁、ダークブラウンの木、グレージュの石や家具といった光の反射率の低い素材を使用し、白く輝く中庭との対比としての光を抑えたラグジュアリーな内部空間が作り上げられている。対照的に2階のプライベート空間は光の反射率の高い白をベースとしたインテリアとし、中庭が導いた光をそのまま取り込む、明るさに満ちた空間となるようデザインされている。また、中庭が光を届けないスペースについても、和室は光庭に対する地窓、シアタールームはトップライト、バスルームはバスコートを通じ、全ての空間でドラマチックな光の変化を楽しむ事が出来る。太陽が昇り続ける限り繰り返される、光のドラマを楽しむ邸宅が誕生した。