長く住み継げる可変性とカーテンのない生活を実現

札幌市 I邸

将来的に2世帯、3世帯の同居も見据えた可変性を備えつつ、住宅街にあって窓のカーテンを閉めなくても良い住まいというのが、オーナーの希望。そのために、大きな中庭を設け、ガラススクリーンなどとの組み合わせによって外部からの視線を完全にシャットアウトしている。
緩い傾斜地という地形を生かし、1階部分を半分ほど地中に埋め、大きな天井高を確保すると同時に、中庭を大規模に掘り下げ、主要な窓面がすべて中庭に面するように配置。2階部分も同様に、周囲からの視線が遮蔽されており、カーテンを閉めるストレスのない生活を実現している。室内の主要部分である玄関、茶室、リビングに至る空間、共用部の廊下・洗面・トイレにいたるまで、和の設えをテーマとした色、素材、造作、モチーフを採用。
基本的な仕上げとして障子(組子)、和紙、珪藻土による塗り壁、タモや杉材を多用している。一方、リビング内では一部、外壁で使っている杉型枠によるコンクリート打ち放し仕上げを施すことで、空間を引き締めている。最新のプロ用音響機器によるサラウンドシステムと専門家のチューニングを経て実現したプライベートシアター、大炉のお点前の練習もできる茶室など、ご主人と奥さまのこだわりも満たしつつ、長く住み継げる住まいとなった。