煌びやかな鎧をテーマにした家族だけの住まい

帯広市 K邸

重厚で煌びやかな鎧を一つのコンセプトに、家族のつながりを大切にした住まい。空間デザインの主題として、設えの異なる三体の鎧を和室の床の間に配置。その壮観な姿をリビングからも、ダイニングにいても眺めることができるよう、直線的に空間を並べている。床の間の側面には収納スペースが作り込んであり、一見するとそれとはわからないフラットな扉を外すと、ひな壇に飾られた姿の雛人形がそのまま移動できる仕掛けも。節の喜びを自然に暮らしのなかに取り込む。また、リビングの正面に位置するテレビの裏には、子どもたちの勉強コーナーを設置。キッチンから、そのようすを眺められるほか、テレビの背景の壁は、上部を開けて天井を連続させ、完全な個室とならないように配慮。勉強に集中しつつも、常に家族の気配がすることで、閉塞感を覚えることがないようにしている。一部、事務所も備えた住宅であることから、日常の動線が機能的になるよう工夫しながら、仕事の動線とは重複せず、気兼ねなく日々を過ごせる仕様としている。これから長く住み続ける家だけに、家族だけの空気、印象を表現したいという思いから生まれた重厚、かつ居心地の良い住まい。どこにもない、真に安らげる空間ができあがった。