中庭を囲むプランの清々しい住まい

帯広市 N邸

プライバシーはしっかりと守りつつ、伸び伸びとした居住空間を実現するため、中庭を囲む平面プラン上に各居室を配置した。ダイニングに面し、リビングからもアプローチできるテラスは、シンボルとなる細い柱が並ぶピロティのような空間。大きく張り出した庇が、明るさを取り込みつつ直射日光を遮蔽してくれるほか、雨が降る日でも掃き出し窓を開けて通風を確保することが可能で、常に開放感を得ることができる。また、子供室の前に伸びる廊下には、膝を折り曲げて入り込むことができる出窓を設けて通路の空間に奥行きを与えた。中庭に面するこの出窓から明るさが断続的に届くことで、立体感も強調されている。ワイドな窓から広々とした中庭を望むリビングは、天井を高くとり、ロフトを設けて垂直方向にも広がりを持たせた。併せて、シアタールームとしても楽しめる場をつくりあげた。さまざまな角度で機能の異なる居室を設ける構成のなか、リビングには平面的に三角形となる部分が生まれた。このコーナーは薪ストーブのスペースとすることで、シンボリックな印象に。冬の日は心和む炎とともに、暖かさをもたらしてくれる。全体として屋根の高さを抑えることで、どこにいても空の大きさが感じられる、清々しい住まいとなった。