世代を超えて愛着と想いを引き継ぐ家

帯広市 K邸

ご両親が愛着をもって暮らしてきた場所と、その記憶により寄り添うことをテーマとして、同じ敷地内に建設。土地の風情を大切にするため、色数を抑え、全体的に落ち着いたトーンでまとめた。シンプルでありながらも、閉鎖的にならないよう、道路側には高窓を設け、生活の温かさが垣間見えるデザインとしている。ほどよい距離感を保てるように、ご両親が住む側の窓とは水平に向き合わせず、少し角度を設けて配置。その窓からは、長年にわたり丹精してきた庭を一望できるようにした、また、庭に用いられていた数多くの石は捨てずに、組み直して、高低差のある敷地の土留めとして再利用。土留めの間に新たに草花を植え、ご両親宅から見えるようにしている。一方、庭を望む大きな窓に対向するリビングの窓は、清楚な白い壁に囲まれたロの字型の中庭に面する。この中庭には、リビングの床と同レベルにデッキを設えることで開放感と一体感を演出。センターから少しずらした位置に、シンボルツリーとして紅葉を植栽。冬枯れの情景から、みずみずしい若葉の生命力、そして紅く色づく秋の風情と、1年を通して自然を感じ、その風景を楽しめるプライベート空間とした。世代を超えて想いを引きつぎ、人生を謳歌する住まいとなった。