暮らしの中に茶室のある家

横浜市 W邸

1カ月の半分以上を海外で過ごすご主人と、茶道をライフワークとする奥様。充実した人生を送られてきたご夫婦が、心からくつろげる住まい。これが家づくりのキーワードとなり計画が進んでいった。
玄関を入ると、まず手前に茶室。そして、その奥にリビングやキッチンといった居住スペースが配置されている。ミニマムな場である茶室の脇の廊下を通って奥へと進むと吹き抜けのリビングが広がるという、ダイナミックな空間の対照が図られている。
リビングから2階を仰ぎ見ると、そこには障子のはまった丸窓。しっとりした和の雰囲気を感じさせてくれる。2階にある寝室のバルコニーからは郊外の山々を見渡すことができ、つつじなど四季折々の風情が楽しめる。
居住スペースと茶室は、一体感を持たせつつもさりげなく区切りがつけられている。室内は、シナやナラなどの素材感を大切にした、温かみのある空間が広がり、人生を楽しむ悠々たる舞台を演出している。
茶道に造詣の深い奥様がHOPと出会ったのは、茶道に関する冊子での石出社長の対談記事という。横浜で開催された「住まい塾」講座にも参加したという奥様の家づくりへの理解と、その思いに応えたHOPのデザイン力、技術力が反応し、結晶することで生まれた上質な住まいだ。