市街地郊外の丘陵地に建つ邸宅。山並みや、街並みを一望するロケーションのなかに、この住まいはある。内部空間の白眉は、リビングの広がり。大空までをも取り込むような大開口から木立の風景を望みつつ、構造材であると同時に意匠として配置された柱・列柱が、空間に内在化した木立の森を連想させる。
外部空間とのつながりは、屋内に設けられたプールにも取り込まれており、機能的には水の張られたプールであるものの、同時に、外界の風景や、空の青、周囲の緑を写し込む仕掛けが施されている。曲線にデザインされたこのプールサイドに佇む時、森の中の池の縁にい
て、穏やかな静寂を味わっているような心持ちになる。緑に包まれたオアシス。自然のなかに溶け込むような感覚を味わいながら、安らぎを感じる、そんな住まいだ。