さまざまな人々を招くゲストハウスとして計画された邸宅。趣味である車を格納するスペースを、ひとつの核とするプラン。そして、好みのものに囲まれ、ここで過ごす時間は、リゾートに来たかのような気分を味わえるような平面構成と空間の仕上げというのがオーナーの願いだった。
ショールームのように車を展示する建物はシックなイメージとする一方で、これと対になる反対側の棟に設けた居室とバスルームは開放的な仕様とし、雄大な景色を眺められるようにしている。
リビングとダイニングの天井は、木のルーバーが有機的な多角形を描くデザインとし、その両サイドに仕込んだ間接照明とスタンドの明かりのみで静かに夜を過ごす空間となっている。動の象徴である車と、静を思わせる暗がりにより、非日常の場をつくり出した。
屋内の廊下の突き当たりなどのスペースには、大切に保管されていたコレクションを飾るためのスペースや造作を設け、そうしたお気に入りのものが、空間のイメージに彩りを与える仕掛けとした。心置きなく語り合い、気持ちを開放させる。そんなステージができあがった。