大自然を享受する、道産素材を多用したコンドミニアム

ニセコ K邸

世界的スキーリゾート・倶知安町ひらふ地区の近傍に位置する傾斜地に建つコンドミニアム。蝦夷富士の名で呼ばれる羊蹄山を眼前に望み、眼下には清流・尻別川が流れる大自然を享受しつつ周辺環境と共存することをテーマに、傾斜地の勾配に沿ったスキップフロアを採用。すべての部屋から羊蹄山を望む平面計画とした。なかでも、5.8mの天井高を持つリビングダイニングの東面は全面が開口となっており、ふんだんに自然を取り込む。外観の特徴は、緩やかな勾配の大屋根。外壁には札幌軟石、道南杉の羽目板とルーバーを効果的に用いて白壁とのバランスを配慮して構成し、ルーバーはその先端が白壁に滲んでいくような仕様とすることで、壁面に繊細さを表現した。海外のオーナーの希望を反映し、リビングの柱・梁にも道南杉を使用。割れが起こりやすい素材だが、無垢材ならではの個性であることを許容するオーナーの感覚によって採用となった。建具廻り、カウンター、階段板は道産のタモ、玄関先にあるラウンジの壁には道産カラマツの耳付き厚板を凹凸をつけて張ることでダイナミックな空間を実現した。リビングには野田左官(浦河町)によるドウダンツツジの枝を使ったアーティスティックな左官壁、各寝室のベッドヘッドには植物柄の壁紙を採用するなど、花の好きなオーナーの意向を反映。この建物は、オーナーから『望河(ぼうが)』と名付けられた。