利便性の高い都市部にありながら、歴史ある街並みを残す、落ち着いた住宅地に建つ住まい。その立地の魅力を生かしつつ、隣接する高層マンション・高速道路から隔絶し、プライベートな空間とするために中庭を囲むコートハウスが提案された。
周囲からは高い外壁で遮り、同時に各部屋からは中庭を望み、空へと広がる開放感を実現している。また、各居室には中庭に面した大きな開口部をとるとともに、部屋を仕切る壁こそあるものの、扉は設けていない。それぞれの用途は意識しつつも、空間としてひとつながりとし、広さを演出する工夫だ。特に、来客をもてなすリビング・ダイニングには、直線によって奥行きが強調される格子天井を採用。天井や床、建具など内装には北海道のタモ、ナラなどの天然木を多用した。
全体的にモダンなデザインの住まいに、肌触りが良く木目の美しい天然木を取り入れることで、温もりと、心地よい安らぎを感じる空間となっている。オーナーが大好きな映画やコンサートの映像を楽しむオーディオルームは、バーカウンターを設けた落ち着いた居場所。最新のマシンを備えたトレーニングルームからは、中庭や周辺の眺望が楽しめる。外界の喧騒を離れ、多忙な時間を忘れて自分の世界だけに遊ぶ住まいとなっている。