北国ならではの、四季折々の自然環境を楽しみつつ、雪に閉ざされる季節にも心地よく、家族がのびのびと暮らせること。プライバシーを守りながら寒さもしっかりと遮蔽する鎧としての外壁を築く一方で、デザインの随所に曲線を取り入れることで柔らかな印象の住まいに仕上がりました。インドアでの生活を便利に、安心して過ごせるよう、実用性にこだわった空間構成も、この家の特徴であり、オーナーの一番のこだわりです。
広く開放的なサンルームを設け、明るさとともに太陽光の温もりを存分に取り込む温室とすることにより、冬季間の厳しい環境下でも、リビングは常に、ほどよい暖かさを保つことができます。また、洗濯室と家事室をこのサンルームの横に配置することで、洗濯物をしっかり自然乾燥できるほか、奥さまの家事仕事も快適に行うことができるよう配慮しました。冬の低い日差しは、間接的にリビングの奥にまで届き、反射して差し込む雪灯りとともにやさしく、柔らかな光のグラデーションを演出します。
2階の居室へのアクセスを考えて、曲線を描く階段を途中で2方向に分け、複数のルートを設けています。階段の途中には、高さ2mほどの〝すべり棒〟を設けて、普段は子どもたちの、ちょっとスリル感のある遊び場として、また、緊急時には即座に1階へと降りられる仕掛けとしました。子ども室の天井高は1.4mと、開放感のあるスペースに。同時に、キッチン前にカウンターを設け、そこでも勉強できる仕様としています。