素材が創る上質な空間がある家

札幌市 E邸

モダン、エレガント、シンプル、シャープなど、テイストの違う空間を、それぞれの魅力がぶつかり合うことなく、1つの家の中に収めるとしたら、どんな並べ方があるだろうか。
傾斜地という土地の特長が、この難問にベストアンサーを生み出した。スキップフロアを構成することにより、回廊動線を確保。それぞれテイストの異なる部屋から部屋への移動に距離を設けたことで、空間の変化が自然なものに感じられる。緩やかな高低差で視点も徐々に変わるため、テイストの違いに唐突感がない。例えば4mを超える天井の高いリビングは、ダークな床に白いソファーが映えるモダンな内装、書斎はグレーを基調にしたシックな空間、パウダールームは艶めく白がゴージャスな雰囲気を演出するなど、それぞれの空間の用途に合わせて、違ったテイストを楽しむ。
白をメインにした外観は、水平ラインを強調したシャープなデザイン。無機質な直線的デザインの屋外と好対照を成して、有機的魅力を加えているのが、最上階の中庭の存在だ。回廊は中庭を囲むように作られ、つねにさりげなく庭の景色が視界に入る。この中庭からの陽光を取りいれることで、各室内はより多く採光が可能になった上に、しっかりとプライバシーを守りつつ、開放感を得ることが出来るのだ。家族同様の2頭の犬たちが中庭で戯れる姿は、家族の大きな癒やしにもなっているという。