朝日に輝く雲、降り注ぐ陽光と青空、夜は闇に煌めく月と星を、快適な環境で楽しめる吹き抜けのリビング。高さ6mの大空間のガラス窓は、ネイチャー映画さながらに、24時間365日、同じものがひとつもない空を映し出してくれる。この空間のスケールをよりいっそう大きく感じさせるのは、モダンな大型ペンダント照明であり、存在感のあるタイル貼りの大壁面、そして窓側から2階へと奥へ伸びる階段だ。
これだけ大きなガラス窓を広範囲に配した場合、問題になるのが冷暖房だ。この邸宅では地熱ヒートポンプを導入し、冷暖房を全館一括でコントロール。さらにリビングの大窓には自然光による採光と採暖を実現する、ガラスカーテンウォールを採用するなど、最新のシステムでその問題をクリアした。さらに1階の応接室には薪をくべる両面式の暖炉を入れ、その暖気をリビングにもまわすようにしている。
快適さを追求するため、キッチンは特注の造作に、2階の脱衣室にはランドリーシューターを設置するなど、ストレスのない家事動線を実現した。
この屋外の開放感と屋内の快適さを両立させた空間で、家族は思い思いの時間を過ごす。例えば最新の調理家電で凝った料理に挑戦したり、リビングの一角にあるバーコーナーでグラスを傾けたり、自室で趣味に没頭したり。この家の中では、時は時計が刻むものではない。自然のあるがままに、光と影が時の流れを作っていく。