軽井沢の家

軽井沢 K邸

ドイツ生まれのオーナーが求めたのは日本的な住宅である。柱・梁を現わしにした真壁スタイルの外壁、シンプルな切妻屋根がのる簡素な外観は、ほぼ中央に設けたエントランス部分で110度開いた、屏風の一辺のようなプランになっている。これは、各居室から異なる角度で軽井沢の木立を眺めるための仕掛けだ。居間の壁面はほぼ全面にわたって天井まで開いた開口とすることで、ふんだんに季節の光を取り入れる。その居間の、素通しのようなガラスの壁面は木立を映しこみ、一体化する。そして銅板で葺かれた屋根が、年月とともに表情を深めていく。日本的な風情を存分に感じさせてくれると同時に、オーナーはHOPの高気密・高断熱技術にも大きな魅力を感じたのだという。天井高は最も高い所で約6mあり、開放感も魅力だが、その広い容積をやさしく、的確に温めるため全室に床暖房を施している。住宅の性能が低ければ機能しない床暖房の効果を最大限に引き出すのは、HOP独自の気密・断熱工法だ。日本の住宅のよさを活かしたつくりでありつつ、ディテールにはオーナーの意向を受けてドイツ的な感覚も随所に取り入れられている。