集合住宅のコンバージョンにより生まれたハイ・スケールの邸宅 集合住宅のコンバージョンにより生まれたハイ・スケールの邸宅

東京都 F邸

集合住宅から専用住宅へのコンバージョン、フルリノベーションによって生まれた、東京都心の500坪を超える邸宅。既存建物に対して綿密な構造確認を実施し、現行の建築法規が定める強度を十分確保できる構造補強を施したうえで、増築を行っている。従前の建物は、各住戸の窓が外部に向けて数多く開き、建物の中央に共用廊下が設けられていた。それに対し、都心の邸宅にふさわしい空間となるよう、外部の開口部を閉じるとともに、共用廊下だった空間を室内に取り込むことにより、中庭に面する大空間を実現している。また、増築によって地下1階〜地上3階を貫く吹き抜けを設けることで、各階ごとに独立していた空間に連続性を与え、中庭による一体感と合わせて、水平方向にも垂直方向にも胸の空くような開放感をもたらす計画となっている。同時に地上と地下で印象を変えていることも、この住まいの特徴だ。地上部分においては、広々とした空間全体に中庭からの光を十分に取り込めるよう、ライトグレーを基調としながら木や石など、多様な素材を際立たせることにより上質感を表現。一転して地下に関しては、黒を基調とした空間をベースに、シルバーやダークミラーを差し込むことにより、ラグジュアリーでハイセンスな空間としている。スケールの大きな、日々の住まい方を楽しむ邸宅となった。