差し込んでくる柔らかな光が、明るさと心地よさをもたらす住まい 差し込んでくる柔らかな光が、明るさと心地よさをもたらす住まい

東京都 H邸

奇をてらったようなデザイン・構成ではなく、時を経ても飽きない、愛着をもてる家。同時に重厚感のある住まいというのが、初めてゼロから建築するオーナーの思いだった。モダンラグジュアリーをテーマに、外装・エントランス・リビングに配した天然石やタイルの光沢を備えた表情が、ホテルのような上質で落ち着いた雰囲気のなか、本物の素材がもつ高級感を際立たせている。静かな住宅街の一角という環境のなか、設計上、周囲からの視線を遮りつつ、最大限に採光を得るための工夫が求められた。日当たりがさほど良い場所ではないことから、外壁の配置を工夫することによって設けた光庭に加えて、主要な居室にはハイサイドライトを設け、時間とともに刻々と表情を変える自然光を取り入れている。そのことにより明るさと、心地よさがもたらされている。特にリビング・ダイニングにおいては、形状と配置を工夫することで、可能な限り採光を取り入れている。また、生活のメインステージとなるリビングには、たっぷりとしたスペースを確保するとともに、開放感のあるインナーテラスも、リビングの延長として取り込むことで、実際以上に広々とした印象を生み出している。差し込む彩光のグラデーションが、屋内のそこここに淡い影をつくり、清楚で温かな印象をそこに立つ人に与えてくれる住まいだ。