円山の家

札幌市

円山の家は、経年変化とともに味わいを増し、家族に住み継がれることをテーマに設計した。床には道産のナラ材を使い、造作にはタモ、そして壁はワラを漉き込んだ珪藻土を使い、空間に負けないようにとセレクトした家具は、イタリアンデザインでコーディネート。一見、和洋折衷のようにも映るが、和と洋、それぞれに最上級のレベルに達するものは東西の様式を問わず、ひとつの空間を完成させ、堂々と共存する。建物の中心をコの字型にくり抜いて、中庭をつくりキッチン、書斎を兼ねたフリースペース、リビングのそれぞれに面し、緑と光をたっぷり取り込むようにした。リビングの一角を占める座敷は、本格的な縁側を備えた和の空間。ちょっと衿を正したくなる場をつくることで、住まいの品格は高められる。