光と色が美しい邸宅

札幌市 M邸

まるで現代アートのような雰囲気を持つこの家は、西側に長く広がった傾斜地に建つ。外壁と内壁に同じ素材を使用したグレーの塗りを施し、家具や建具もグレーを基調にまとめた。スロープを通り玄関を抜けると絨毯が敷かれたホールと、幅広くゆるやかな階段が現れる。ゆったりと階段を上がるにつれて、まるでトンネルを抜けるかのように2Fから温かな光がそそぐ。
リビングの開口は大きさや方角を工夫したことで安定した自然光を取り入れ重厚な空間を演出し、3mを超える高さの天井が海外の邸宅のような趣を感じさせる。リビング隣にはサービステラスを設け、コーナーガラスを配した。このコーナーガラスは外観を柔らかいイメージに変えるシンボリックな存在となっている。キッチンには2m角の広々とした造作アイランドカウンターを備え、家族みんなで一緒に料理を楽しむことができるようにした。バスルームやサニタリーはドアをガラス扉として透明感を印象付けながらも、計算された動線により圧迫感がなく更なるリラックスを生む場所となった。
この邸宅の中で違った一面を見せるのが子供室だ。奥様がコーディネートしたこの空間は緑や赤のビビッドカラーがモノトーンとの対比によって一層引き立つ。この邸宅の魅力と独特な空気感は、オーナー様が大切にした光と色への美意識によって創り出されている。