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家族をつなげる インターチェンジ近くの高台に立つ旭川の家。高速道路越しに山並みが広がり、四季をつぶさに感じられる絶好のロケーションだ。若いオーナー夫妻と家族に、この自然のパノラマを家で味わっていただきたいと、リビングには3方向に窓を設置。ソファから眺めると、大画面に映し出されたように緑が迫ってくる。リビング・ダイニング・キッチンを広く使うため、1階全体はオープンな空間構成になっている。構造上の必要性からリビングとダイニングの間には2本のトド松の柱を使用。はからずも空間の味わいが深まった。造作キッチンもこだわりの一つで「周りの色がダーク系なので、ステンレスや白い天板だと浮いてしまう」との奥さんのひと言で天板に黒を採用したが、違和感なく空間に収まった。キッチンの後ろ側には、食器から調理器具、家電を収納できるスペースを確保。引き戸を閉めればすべて隠せる。扉や手すり、造り付けの収納など、建具のすべては自社工場で造作。同じ質感で、調和の取れたデザインは、住まいの完成度をぐっと高めた。無垢材のフローリング、和紙を貼った障子、階下を見下ろせる子ども部屋の丸窓。完成した邸宅は、洋をベースにしながらも、和のエッセンスが溶け込み、落ち着いた和モダンの雰囲気をまとう。デザインと製作が一致しているからこその上質な仕上がりで、感度の高い若い夫妻にふさわしい住まいとなった。暮らし方はいろいろWhat is the Value of a Housechapter 1050夜空を眺める家House for watching the night sky
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