和と洋のフュージョン

ニセコ H邸

ニセコの雄大な自然に抱かれるように建つのは、パウダースノーをこよなく愛する外国人オーナーの邸宅である。HOPを指名したのは、外国人の感性にも響く和のテイストを取り入れた本物の住まいを実現できると確信したからにほかならなかった。オーナーが要望したのは、せっかく日本に居を構えるからには、西洋と同じスタイルの住宅ではなく、伝統的な和の建築様式にしたいということだった。この建物は随所に日本様式を盛り込んだ、和洋のフュージョン。玄関には国産天然石を敷き、ホールには本格的な茶庭、漆喰の壁、扉には引き戸を多く採用した。和紙を貼った障子や、和陶器の洗面器を設置するなど、和のエッセンスを十分に取り入れた空間とした。また、階段の袖壁は間隔の細かい木製ルーバーで仕上げ、木の香りと開放感を演出するとともに、吉野窓を思わせる円窓も数カ所に設けている。日本の文化に惹かれ、堪能したいとするオーナーに、HOPの家はことさら新鮮なよろこびをもたらしたのである。