四季の情景に寄り添う家

神奈川県 T邸

小田原市の相模湾が一望できる6mもの高低差をもつ丘陵地。
ここに佇むのは四季の表情と時の移ろいに寄り添う住まいだ。日々の生活のなかで多くの時間を過ごすリビング、ダイニングは吹き抜けとし、緩やかな曲線を描く大きな開口を確保。天井まで伸びるそのガラス越しには悠々たる山並みが青々と美しい。大自然が織りなす四季折々の情景を望むためには、自然と向き合う住まいとして相応しい仕様が求められた。時代によって変化してゆく軽快なデザインやモダンスタイルではなく、時を経ることで深みを増す本物のつくり。無垢の材料や重厚間ある素材のみを使用することにこだわった。ナラ無垢の床材、タモの列柱、天然のクォーツサイトの壁など、気品ある素材の組み合わせにより優雅な空間をつくり上げた。
また、差し込む自然光が落とす影を重ね合わせ、その変化が楽しめるように列柱やルーバーを配置。時の流れを感じ、楽しむことも心地よい。南側に広がる海原の風景とともに、西側に居並ぶ箱根の山々を見渡す。この上ない程に開放感あふれる邸宅となった。