HOP

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作品紹介

HOPの家には、そこに暮らす家族一人ひとりの物語があります


 


海辺の風景に溶け込む杉板張りの外観。

 

札幌から北に向い国道231号線を望来から厚田に向かうトンネルをぬけると、右側には広大な草原、草原、左側には日本海が広がる。 そんなロケーションに魅了され購入されたこの土地に,週末の住宅として計画がスタートした。

 

 

敷地の10m先は、碧々とした日本海。まさしく絶壁である。湾曲する海岸からは北に雄冬岬、南に積丹半島が見晴らせる。別荘地として分譲されていたこの土地をオーナーご夫婦がひと目で気に入り、即座に購入。ロケーションの魅力を最大限に生かす住まいをと、HOPの家が選ばれた。 外観は切妻に片流れ屋根を組み合わせた、シンプルなフォルム。外壁の杉板は無塗装で仕上げ、木の素朴な質感を生かしつつ、潮風や太陽の光を受けて自然に色が変わるのを楽しむのだという。
オーナーが求めたのはモダンなインテリアよりも、木のぬくもりを大切にした住まい。床や柱、天井にもふんだんにマツが使われているが、ムク材ゆえのヒビ割れや乾燥に伴う多少のくるいも構わないということだ。それほど、本物の木に深い愛着を抱いているのである。

週末をゆっくりすごすための間取りは、リビング・ダイニング・キッチンを開放感のあるワンフロアで構成し、その続き間として和室を設置。屋根形状や柱や梁といった構造体を現しにしたつくりも、空間全体にダイナミックな広がりを与えている。ゆとりのスペースとして設けた2階には、ひときわ大きな窓から日本海を眺望できるロフトがある。

 

 
ダイナミックなピクチャウィンドウから、海の景色をたっぷり満喫。暖炉のあたたかさが家中を包み、ホッと息をつく。
     いつまでも居たくなる、時間を忘れさせるような空間。
K邸を設計する際、もっとも力を入れたのが窓の形状や配置である。リビングの窓は海に向かってコの字型に張り出し、どの位置に座っても三方向から雄大な景色を楽しめるように配慮。リビングとダイニングの境界は段差でゾーン分けされ、ダイニングテーブルについたときも、一段下がったリビング越しに水平線を一望できるように計算されている。
また、着替えや寝るための部屋として設けた和室は、畳に座ったときの目線の高さに合わせて窓の位置を設定。眺める場所や時間帯でさまざまな表情に変化する海は、ピクチャーウィンドに切りとられた最高の絵画なのだ。
海辺の別荘にふさわしく、室内を彩るインテリアにもこだわりのセンスが発揮された。たとえば、ダイニングに下がるペンダントライトは、浮き玉を思わせる丸みを帯びたデザイン。同時にそれは、イカ釣り漁船が灯す漁り火のようにも見え、雰囲気たっぷりである。
 

コーナー窓を設けた和室では、座った位置から水平線がきれいに映る。

ゆったりと時が流れるダイニングカウンター。

浮き玉のような照明が、海を取り込むリビングにマッチ。

 レンガを積んだファイヤースペースも風情があり、海の表情が険しくなる秋から冬にかけては、薪ストーブのあたたかな炎とパチパチはぜる薪の音が、心を癒してくれることだろう。ダイニングテーブルと一体になったキッチンカウンターは、HOPのオリジナルによるもので、ファイヤースペースに使ったレンガとコーディネイトすることで、空間に心地よい統一感をもたらしている。
天井のトップライトから注ぐ自然の光も、日曜日の朝の食卓に大いなる喜びを届けてくれるそうだ。
オーナーはいう。「よく晴れた日の夕焼けは絶景。
遥か積丹半島の先に真っ赤な陽が沈む様子は、それは見事です」。日常の慌しさから解放され、心豊かな時間を取り戻すために手に入れた至福の空間。あたりには原生花園を思わせる緑の風景に、野の花が誇らしげに咲いている。
夏の海風に吹かれて、人も自然も輝きを増すのである。

和室からゆっくりと沈む夕陽を眺める。


構造体があらわになった素朴な味わいに心がなごむ。
階段の向こうが和室。