HOP

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作品紹介

HOPの家には、そこに暮らす家族一人ひとりの物語があります


 

三角の敷地の、公園方向の鋭角的な部分にアプローチをしつらえた外観。


札幌を一望できる旭山公園に接するように建つ 「三角地の家」は、間口が大きく開かれたアプ ローチが印象的な建物です。 直角三角形の土地と、北側に4mほど傾斜した 敷地は、ふつうに考えると住宅には不向きな 土地として見られるでしょう。さらにこの場所は 風致地域ということで道路側3m、隣地側1m半 の後退距離の法的な規制がかかり、ますます 不利になる三角地です。

 


 

アプローチから茶室を望む。


しかしこの家ではむしろそうした、残余とせざるを得ない部分を利用して、路地や茶庭として建物の品格を上げる要素の半外部の空間に上手に取り込んで成功しています。 「三角地は四角い土地より、見方によっては一辺の長さが長くなるので、奥深い印象を与える建物ができます」と語るI氏は、これまでも数多くの変形敷地の住宅設計をてがけてきています。 玄関アプローチから鉄格子越しに見える竹垣の茶庭は、外待合いに続きます。奥深い路地は本格的な茶道が行われる空間です。 I氏は、空知地域の木材生産者と手を結び、北海道の森林を守ろうという「産直ネットワーク」を行っています。地球環境の問題から、国内森林資源を活用し、植林を進めることによって、有効にリサイクルができるというI氏の考え方は、国や道の林務部からのバックアップで大きな活動になっています。
アプローチから茶室を望む。
障子越しにほんのりと光が入ってきた雰囲気のある和室の様子。

この家では、芦別産で節があるためにチップにしか使いみちがない、といわれたセンやナラの木材を使っています。30cm角のセンの柱は大黒柱として使用し、その上に手を広げたようにH鋼の梁が吹き抜けの大屋根を支えています。壁は淡い色合いの漆喰で塗られ、天井や床の無垢材とともに温かい空間を演出しています。 和室は床と床脇に、黒の漆塗の単純な構成で造られ、床柱の杉丸太や落掛けの桐の白さが品よく置かれています。天井は杉杢の薄板を羽重ねに仕上げた本格的な和室ですが、特有の重たさはなく、新しい感覚を感じさせています。 建物全体が回遊できる設計になっていて、それぞれの場所を移動することによって、いろいろな見え方ができます。 その導線に導かれるままに地下に下り、裏庭から路地の階段を通 ってカーポートに抜ける場所は、室内と外部の玄妙なつながりが新鮮で素晴らしい、魅力的な空間でした。

居間
玄関方向から居間・食堂を見る。文中の大黒柱とH鋼の梁が見える。


食堂から居間方向を見る。